SNSで影響力を持つインフルエンサーに協力を依頼して行う「インフルエンサーマーケッティング」は、通常のWeb広告と違って嫌がられにくいなどさまざまなメリットがあります。ただしインフルエンサーマーケティングの注意点を知っておかないといつの間にか投稿がステマ扱いになり、自社収益やインフルエンサーの評判にまで悪影響を及ぼしてしまう危険性があります。

企業としてはステマの概念などを理解して注意することで、インフルエンサーマーケティングにおけるリスクを減らせます。

今回はインフルエンサーマーケティング検討企業向けに、ステマとはそもそも何かを説明しながらインフルエンサーマーケティングでステマを防ぐポイントを解説していきます。

 

ステマとは何か

ステマとは「ステルス・マーケティング」のことで、該当者にとってマーケティング的に有利に働く不正行為を指します。

分かりやすい例で言うと、

  • 口コミサイトやショッピングサイトなどで、社員が自社商品やサービスの高評価を行う
  • チャットやSNSなどで、議題にまったく関係のない商品・サービス紹介を行う
  • 企業から金品や商品など見返りをもらって、それを知らせずに情報発信する

などがステマに該当します。

ステマは口コミを活用してのマーケティング(Word of Mouthマーケティング)が市場拡大していく中、公平な情報発信を妨げる大きな問題になっています。

 

インフルエンサーマーケティングでステマは絶対NG

インフルエンサーマーケティングもWord of Mouthマーケティングの一種ですから、ステマには注意しておく必要があります。実際すでに、インフルエンサーマーケティングでステマを疑われる事件がいくつか発生しています。

たとえば2019年11月には、吉本興業の某漫才コンビが「Twitter」でステマを行った疑いが浮上しています。

この事件は、漫才コンビが地元京都市と2018年ツイート1回につき50万円を支払う契約をかわしていたのにもかかわらず、ツイート内にそのことを明言する内容が一切盛り込まれていなかった点が問題になりました。京都市は該当の投稿をステマと認めておらず、これがさらに物議をかもす結果につながっています。

このように法律で明確な罰則が特に設けられておらず、定義がグレーなのがステマの罠です。企業にとってはたとえステマをしたつもりはなくても、多数のユーザーから指摘があればそれは紛れもなくステマになってしまいます。認識のずれにより京都市のような態度を取ってしまいブランド力の低下が起こらないよう、くれぐれも気をつけなくてはなりません。

他にも「Instagram」でステマ紛いの投稿が増えるなど、インフルエンサーマーケティングにおけるステマ問題は高まるばかりです。発覚した後致命的な事態にならないよう、企業は細心の注意を払ってインフルエンサーマーケティングを行わなければなりません。

 

インフルエンサーマーケティングをステマにしないポイント

ここからは、インフルエンサーマーケティングをステマにしないポイントを解説していきます。

  • 自社とインフルエンサーの関係性を投稿で説明する
  • 必ず商品やサービスを利用してもらう
  • 社員を投稿コメントなどに関わらせない

 

自社とインフルエンサーの関係性を投稿で説明する

ステマなど不正行為を防止し、正しく口コミ系のマーケティングを広めようとする「WOM JAPAN(WOMマーケティング協議会)」が2009年に発足されています。

WOMマーケティング協議会の意見を参考にすると、インフルエンサーマーケティングでステマを防ぐには自社とインフルエンサーの関係性を投稿で説明する必要があります。

依頼するインフルエンサーがルールに疎く、関係性を明示せずに投稿を行ってしまう可能性も否定しきれません。ですから企業側でも、投稿内に関係を明示しておく必要性をしっかり認識して対策を取っておきましょう。

具体的には投稿がマーケティング目的のPRであること、そして提供元はどこかなどを投稿内に記載します。記載方法は

  • 画像や動画でPRと説明する
  • 投稿テキスト内でPRについて説明する
  • ハッシュタグにPRと分かるワードを入れる

など種類を問いませんが、ユーザーに分かりにくい記載の仕方はNGとなっています。

そして単にPRと説明するだけでなく、「○○株式会社様から○○として便宜を図ってもらった」と、具体的にどの提供元からどのような見返りをもらったのかをはっきりさせる必要があります。ただし「10万円もらった」などの投稿はさすがにインフルエンサーマーケティングの効果を下げてしまう結果にもつながりかねないため、WOMマーケティング協議会では

  • 金銭有には「#プロモーション」、「#スポンサード」などのハッシュタグをつける
  • 物品・サービス提供のみには「#プレゼントキャンペーン」、「#モニター」などのハッシュタグをつける

 

など、効果を下げない範囲での関係性説明の方法をいくつか提示しています。

 

必ず商品やサービスを利用してもらう

もしかしたら、商品やサービスを利用せずに想像して感想を述べるインフルエンサーもいるかもしれません。しかし利用したことのない商品やサービスへの感想を投稿するのは、当然ステマ行為に当たります。

インフルエンサーと契約した後は、必ず商品やサービスをインフルエンサーに提供して感想を語ってもらいましょう。思わぬところでステマが発覚すると、「あの企業はインフルエンサーに商品やサービスを提供せず感想を書かせるやらせ企業」とのイメージが強まり、大きなイメージダウンにもつながってしまいます。

単に関係性を明示するだけでは不十分なのは、しっかり頭に刻み込んでおきましょう。

 

社員を投稿コメントなどに関わらせない

インフルエンサーにPR投稿をしてもらった後は、反応が気になるかもしれません。しかし社員を利用してよい反応を水増ししようとするのは、当然違反行為です。

注意したいのは、「気づかない内に社員がよい反応を返していた場合」です。単にファンとしてその社員はコメントなどを残しただけかもしれませんが、下手をすると関係者なのがばれて水増し行為とユーザーに取られてしまう危険性もあります。

インフルエンサーマーケティングを行う際は社内規約を作っておき、「指定した投稿への社員関与は一切許可しない」などはっきりルールを作っておいたほうがトラブルを防げます。

 

まとめ

今回はステマの概要やインフルエンサーマーケティングでステマを起こさないポイントなどを解説してきました。

インフルエンサーマーケティングでは基本インフルエンサーに投稿を任せる形になるかと思いますが、インフルエンサーによりネットに対する知識はさまざまです。場合によってはインフルエンサーがステマ扱いだと気づかず、PR投稿をしてしまう危険性があるのを忘れてはいけません。

ステマにならないよう注意しながら、インフルエンサーマーケティングを活用していきましょう。